おゆうはんの買物に、自転車で商店街へ行きました。商店街のスーパーで買物を済ませて、外に出て、自転車の鍵をはずしたところで、スーパーの出口のところで座って待っているビーグル犬が目に入りました。
出口から人が出てくるたびに、近寄ってひざ下あたりを匂ぎ、「違う(飼い主の人じゃない)」とわかると、その人が通り過ぎたあと「わおーん」と空を仰いで鳴くのでした。
長い長いブランクがありましたが、ふと、久しぶりに直観的コミュニケーションを試みてみようと思いました。どんな人が飼い主さんなのかな?と思ったら、とたんに、くるくるにパーマをかけたおばさんの映像が浮かびました。
おしゃれなビーグル犬だったので、おしゃれな若い女性が飼い主さんかと思ったので、ちょっと意外でした。
さて、ここからは、見えた映像がどの程度正確か、検証する時間です。
見ていたら次にスーパーから出てきた人は白髪まじりの男性でした。男性はわんちゃんが近寄ると、かがんで手を差し出して何か言いました。
この時点で、「あ、この人が飼い主さんかー。やっぱりおばさんじゃなかったな。やっぱり(直観的コミュニケーションで)わかるわけないよな」と思いました。
ところが。この男性は二言三言、わんちゃんと言葉を交わした後、そのまま、リードを柱から外すことなく去って行ってしまいました。
「あの人じゃなかったんだ」とわかりました。そしてその後も、2,3人がスーパーから出てきましたが、いずれも違いました。
4 人目くらいに出てきたのは、カーラーでくるんくるんとふくらませたボリューム感のある髪型の、小柄な年配の女性でした。その女性は、わんちゃんの前を通り過 ぎるかと思ったら立ち止まり、コートのポケットに手を入れて、なにかおやつみたいなものを出してあげはじめました。
「あ の人が飼い主さんかな?」わたしは息をのみました。もしほんとにそうだとしたら、わたしが直観で見た映像にかなり近いのです。気づかれないように遠くからそっと見ていると、そ の女性はわんちゃんにゆっくりおやつを食べさせたあと、柱に手を掛け、リードをほどきました…。そして一緒に歩きだしたのです。
「あの人が飼い主さんだった…」。わかったときは、軽くショックでした。直観どおりだったことが、ショックだったのです。
自分が、心のどこかで、これは自分がでっちあげた情報で正しいはずがない、直観的コミュニケーションなんてできるはずない、と根づよく思っていることが、この一件 で、よくわかりました。だから白髪の男性が飼い主さんだと勘違いした瞬間には「やっぱり違ったなあ」と落ち着いて思ったのに対して、くるくる髪のおばさん だと判明したときには、合っていたことにショックを覚えたのです。
異種間コミュニケーション、直観的コミュニケーションはできて当たり前、万人にそなわっている能力だと、信じているつもりでいたのに、その「信じる」はまだまだ中途半端なのでした……。
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異種間コミュニケーションでの唯一のハードルは、それが実在することを信頼できるかどうか、だと言われます。
本当に信頼するためには、実践して、経験を通して事実として知っていくしかないですね。今回のことは、じっくり振り返って、「飼い主さんが男性か女性かがわ かっただけでなくて、髪型と年齢(おばさんであること)までわかったんだよ、それって確率的にはかなり低いよね? あてずっぽうがたまたま当たりましたっていうのとは違うよね?」と自分に言ってみました。
信頼を貯める、貯金箱ならぬ「貯信箱」を、心の中につくることにします。そして今回のことは、金色の☆にして、「貯信箱」に入れることにします。(ついでにこのサイト上にも「貯信箱」を設置してみます)。